富士山・宝永山・富士宮口 相模国野外育児記~子連れ登山編・子供と登った地元の山々

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山名 読み 標高 山系 日付 天候 同行
富士山 ふじさん 3776m 富士山 2003/7/19-20 快晴 P/Y/K


ルート 富士宮口新五合目 富士宮口山頂 剣ヶ峯 御殿場口 宝永山 富士宮口新五合目
標高 2400m 3720m 3776m 3720m 2693m 2400m
時間 8:30 16:30 (泊) 5:00 5:15 6:15 9:40 11:30


記録
子供たちが夏休みに入ってすぐ、初の富士山登頂に望みました。これまでの山登りからみて、下の子も登山時の体力的に問題はなさそうです。

標準タイムより相当余裕をみて、早めの出発が出来るように早朝家を出て、8時には富士宮口の駐車場へ。駐車場の端っこでしたが幸い空きも有りました。これから最盛期に入ると、駐車場に入るためにとんでもない渋滞にはまるか、ずっと下まで路上駐車することになりますが、今回は大丈夫でした。

頂上の山小屋宿泊予約もOK、レインウェアも酸素ボンベもOK、金剛杖を五合目の売店で1本購入し、満を持して出発しました。
登山開始 頂上は雲の中です
五合目登山開始
頂上は雲の中です
六合目 元気
六合目
元気
六合目、新七合目、元祖七合目と山小屋に着くたびに金剛杖に焼印をもらい、休憩。八合目位まではいつもの山登りペースでしたが、ココからが本当に長かった。

わずか数十m、ジグザグ登山道の一折れ毎に止まり、しばらく深呼吸しないと足が前に出なくなります。五合目~八合目付近まで上下の雲の間、そこから上は傘雲の中でした。
まだ八合目
やっと九合五勺
見えそうで見えない頂上を仰ぎつつ九合五勺の胸突山荘着。ここから胸突き八丁の語源である最後の登り、富士山の”胸突き八丁”です。そして午後4時半、永遠に着かないのではと思われた山頂に到達しました。上の子はそれでも比較的元気でしたが、下の子は見るからにバテバテでした。宿泊先の富士館別館銀明館に入ります。
文字通り掛け値なしのぎゅうぎゅう詰めの部屋の一番奥に入れられました。これだけ込んでいれば部屋の奥の端っこがかえって楽かな、と思いましたがさにあらずで、夜中に人を踏まずにトイレに行くのが一大難事業になってしまいました。

消灯後、下の子はすぐに寝てしまいましたが、高々度に強いのかなと思っていた上の子は頭痛で寝付きが悪いようで、しばらく唸っていました。私も夜中に頭痛で目が覚めてしまい、その後眠れず困りました。

翌朝、人々はご来光を拝みに早めに出て行きましたが、我家は人の少なくなるまでのんびりし、ゆっくり朝食を取って出発しました。
到着 浅間神社山頂奥宮
到着!
浅間神社山頂奥宮
まずは、初日には行かなかった日本最高標高地点、剣ヶ峯に向かいます。山頂はすぐそこですが、ペッタと平たく造成された、土の広い坂道がずるずると良くすべり、風に煽られながらかなり苦労して到着しました。写真など取り、しばし滞在し、日本最高の空間を楽しみました。
日本最高点の碑にて
日本最高点の碑にて
逆光で碑の文字が読めないので、
そこだけ画像補正してあります
初めて使えた感のある高度計
"初めて使えた"感のある高度計
きっちりと「3780m」を指していました
二日目は、頂上~五合目まで晴れ。眼下はきれいに光り輝く雲海です。

山頂郵便局でおじいちゃんおばあちゃんに暑中見舞いを投函した後、御殿場口から下降を開始し、宝永山を目指します。子供は飛ぶように下っていきますが、私はぼちぼち膝にきていてゆっくりと降りて行きました。
光る雲海
光る雲海
飛ぶように下山
飛ぶように下山
引き続き良い天気のもと、酸素濃度の上昇を感じながら順調に高度を下げ、宝永火口の上に到着。その後軽い上り坂を歩き、見晴らしの良い宝永山山頂に到着しました。

関東側から良く見える宝永火口は富士山東麓の大きく浅い穴ぼこですが、宝永山はその穴の麓側の先っちょ部分です。南北の横から見るとやや山っぽく見えますが、現地で見ると大きな砂丘のようでした。山頂は見晴らしがよく、麓側はかなり切れ落ちています。
宝永山山頂はこの砂丘
宝永火口内には広大な残雪の雪田があって、表面は土で汚れていましたが紛れもない厚い雪でした。シーズン序盤のせいか、上部にもまだ何箇所か大小の残雪がありましたが、標高が低めのこの宝永火口内の雪田も広大で、思わぬ真夏の雪に子供たちはおおよろこびで走り回ってました。
宝永火口の雪田
宝永火口の雪田
炎天下の雪
その後、富士宮口までトラバースしていく軽い下り坂を通り、新五合目に帰着。色々大変でしたが、無事戻ってまいりました。

帰途、富士山が望めるという御殿場温泉ごてんば市温泉会館で入浴。さきほどまでいた富士山は雲の中でした。
新五合目帰着 まずはアイスクリームで懐かしい下界を堪能
新五合目帰着
まずはアイスクリームで
懐かしい下界を堪能
メモ
空気の濃い低山の登山と違い、いくらがんばっても体が動かなくなるのが富士山上部の登山です。何度も何度も休憩を入れ、幸い二人の子供は頂上に到達できました。時間に余裕を持っておいて正解でした。

登山用品店で酸素ボンベも購入していきましたが、劇的な効果は実感できませんでした。山頂で頭痛になったときもボンベでは回復しませんでした。個人差や体調なども効き目に影響するのかもしれません。

丹沢では絶対に体験できない、低酸素状態での不思議なつらい登りは、良い経験になると思います。しかし、上部で本当に動けなくなった場合や、強い頭痛などの高山病の症状が出たら、すぐに下山するか最寄の山小屋宿泊に切り替えるかなど、子供の体調を良く見極めて勇気を持って判断する必要があると思います。本当に登れなくなって断念する人も多いようです。といっても我家は今回初経験ですので的確なことは書けません。初めてのご家族の場合はよく調べてからトライしてください。

もう一つ、自家用車で五合目までいく場合は、駐車場にうまく入れない、またはひどい渋滞にはまることを覚悟する必要があります。ガッチリとタイムテーブルを作っていっても、初めから破綻することにもなりかねません。我々も加担していますが、はっきり言って五合目の駐車場混雑と頂上山小屋の混雑は、思い出すだけでウンザリです。それでもトータルではプラスの楽しさがあると思いますので、一度は子供と上ってみることをお勧めします。








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